アメリカ 新婚旅行で行きたい!クルーズ船に乗る前に気になる10のこと
アメリカでの楽しみのひとつに、嫁が見つけてきた豪華客船クルーズがありました。
カリブ海あたりをでっかい客船で1週間くらい周って、宿泊・食事込みでひとり10万円ほどだと。モロッコで知り合った老夫婦がちょうどそれに行ってきて、新婚旅行にはちょうどよいという話も聞いたので、行ってみることに。
我々が乗った船はアメリカのロイヤルカリビアンの所有する最新で最大級の船、その名も「Harmoney of the Seas」。
こういう豪華客船クルーズはアメリカ人からするとかなり大衆的、一般的な余暇の過ごし方のようですが、日本人にはあまり馴染みがないからか、以外と情報が限られていて、ネットで調べてみても某トラベル体験談投稿サイトのしょーもない自慢話日記程度しか出てきませんでして、行ったことないけども、これから新婚旅行なんかで行ってみたいなーとお考えの方々の参考になればこれ幸いです。
では、「クルーズ船に乗る前に気になる(知っておきたい)10のこと」行ってみましょー。
1.ドレスコード
一番悩ましかったのがこれ。ドレスコードがあるなんてそんなこと全く知らずに予約したので。
ロイヤルカリビアンのHPのQ&Aを引用しますと、
Q: ドレスコードとは何ですか?
A: ドレスコードとは服装規定のことを指し、航海中の夜(18:00以降)の服装はフォーマル、スマートカジュアル、カジュアルとドレスコードが指定されます。ドレスコードは船内新聞にて毎日ご案内します。
・カジュアル…ポロシャツやスラックス、スカートなど。
・スマートカジュアル…男性はジャケット、ブレザーにネクタイ着用。女性はワンピースまたはスーツ。
・フォーマル…男性はダークスーツ、ディナージャケットやタキシード。女性はドレッシーなワンピースまたはイブニングドレス。和服も素敵です。
なんて書いてあるのでもちろん我々、世界一周旅行中にそんな服を持ち歩いているわけもなく、我らがH&Mで安めのもので揃えていざ乗り込みました。
が、実態はと言いますと、半数は「カジュアル」の日はジーパンTシャツにサンダルまたはスニーカーで、確かにそれ「カジュアル」ですけど!と言いたくなる感じで、「フォーマル」の日に至っては数は減りますがチノパンポロシャツスニーカーぐらいの格好の方も結構散見されました。
そのような状態だからでしょうか、「スマートカジュアル」なんて日はありませんでした。もはやどこが中間かもわからない有様ですから、さもありなん。
格式高いヨーロッパやお高級なクラスのクルーズ船ならいざしらず、アメリカのカリブ海を回るカジュアルなクラスのクルーズ船なんて、所詮そんなもんなんでしょう。
なので日本から来る無難に乗り切りたい人は男性はいつも仕事で使うスーツ1着あればよいかと。ジャケパンでもいいです。そういう人が6割くらい。
ちなみに私は上はジャケットなし、シャツにネクタイをして行きました。H&Mでもジャケットは少々お高いですがネクタイは格安なので。
女性は本当になんでもありなのできれいめのワンピースぐらいで目立たず乗り切れます。
我々のような、旅行中で本当に何もない人は、何も用意しなくていいです。
Q&Aでは誤解を生むような表現がされていますが、ドレスコードは基本的にディナーの時間帯の、「メインダイニング」と呼ばれる食事をする所でのみ(その他有料の高級店に行くときもそれなりの服装はいるとは思いますが)でして、実は夕食は別でドレスコードのないビュッフェスタイルのレストランでも食べられるので、そちらを利用すればいいのです。
メインダイニングに行きたければ「カジュアル」の日であればアメリカ人の真似してTシャツジーパンスニーカーで行けますし。ポロシャツや襟付き半袖シャツなんかあればもう十分だと思います。
メインダイニングのほうがビュッフェより良いもの(コース料理)が無料で食べられる、しかもカジュアルよりフォーマルの日のほうが少し内容もいい、というフレコミだったので、食物が主題の旅をしている我々としては、それに行きたいがためしぶしぶキレイ目の服を用意していったのですが、後述のようにメインダイニングは毎日メニューがちょっと変わるだけ&「本当に美味しくない」のでカジュアルの日に行くぐらいで十分でした…。
2.どこまで無料?
クルーズ船の最大の魅力は何と言っても「オールインクルーシブ」という制度で、食事・飲み物・船内アクティビティ・船内で行われるショー・従業員に払うチップが全て含まれた料金であること。なんですが、言わずもがなこれは最低限のものしかインクルーシブされていません。
船内でのアクティビティはスパなどの施設以外はほぼ無料、船内で行われるショーは全て無料ですが、飲料で無料で飲めるのはカフェなどにおいてある水と(部屋の冷蔵庫に入っているエビアンは有料)、コーヒー、紅茶、非炭酸飲料(オレンジジュースなど)ぐらいのもんで、プレミアムコーヒー(エスプレッソマシンを使ったコーヒー、スタバを含む)、炭酸飲料、ビールやカクテルなどのアルコールは全て有料で、これには3段階ぐらいの飲み放題プランもあります。
アイスクリームも無料でしたがあまりおいしくないやつでした。
食事は基本的には店舗毎に無料のところ、有料のところと別れていますが、朝食や昼食の時間帯だけ無料、夜は有料といった所もあります。
カジノはもちろん有料。
インターネット(後述)、寄港地でのツアー、船内カメラマンに撮ってもらった写真を買うならもちろん有料と、あの手この手でエクストラチャージされるように工夫がされてます。
オールインクルーシブで最初は安そうに見えたクルーズ代もネットや飲み物、寄港地のツアー代などがかさんで行くとそれなりの金額になるのではと。
ちなみにリピーターにはこの有料の部分が一人数百ドル分優遇されるようになっていて、アメリカ人達はそれを使って飲み放題などのオプションを付けているようでした。
リピーターの獲得作戦としては定石ですね。
3.食事
最初に申し上げておきますと、アメリカのクルーズ船の食事に過度の期待は禁物です。
朝食や昼食はメインダイニングやビュッフェレストランを始め色んな所で無料で楽しむことができますが、どこもほとんどメニューは同じで、アメリカ人の大好きな小麦粉を焼いたやつ(パン、ベーグル、パンケーキ、ハンバーガー等の類)と、ヨーグルト、オートミール、チーズ、ベーコン、スイカやメロンなどのフルーツ類が毎日ほぼ変わらないメニューで提供されます。
夕食は前述のメインダイニングかビュッフェレストランが主な場所で、メインダイニングではコース料理が毎日ちょっとずつメニューを変えて提供されますが、味はどれもそれほど大したものではありません。
オペレーションの観点から考えてみても、基本的にメインダイニングでは2時間・2時間の2枠を用意してあるとはいえ、一度に数千人もの人間相手にコース料理を出すなど狂気の沙汰ですので、まともな料理ができるかと言えばそこは推して知るべしです。
ビュッフェレストランも味は似たようなものですが、メニューは結構毎日変わる印象で、我々は1週間の内半分以上はこちらでサラダとカレー類を食べてました。
それにしてもアメリカの料理って本当に「大味」です。肉の焼き加減にはこだわるくせに塩すら振らずに焼くし。
ただ、カフェやビュッフェにあったチーズケーキだけは美味しかった。それだけです。
4.船内アクティビティ
超大型客船の目玉ジップラインや、ウォータースライダー、サーフィンにボルダリングにパターゴルフ、卓球バスケその他ほぼ全て無料で遊ぶことができます。
筋トレやランニングができるフィットネスセンターも無料開放されてます。
もちろんプールやジャグジー、その周りにあるビーチチェア(ビーチではない)も無料。
昼夜問わず行われるショーも全て無料ですが、そんなに大したショーはありませんし、セリフはもちろん全編英語なのでまぁまぁの英語力が求められます。
というわけで我々が見たのはアクアシアターのほとんどセリフのないアクロバティックショーだけですが、ザ・アメリカンショーって感じのものでした。
決してシルク・ドゥ・ソレイユ的なものを期待してはいけません。
5.船内での過ごし方
7泊8日のクルーズ中、寄港地によらない丸一日クルーズが3日間あります。
その時は何をするかといいますと、基本的には大人は何もしません。
ご飯食べて、ビーチチェア(ビーチちゃうけど)でゆっくりして、ご飯食べて、の繰り返し。
我々の場合はインターネットだけはお金払って使えるようにしていたので部屋にこもってネット三昧という時もありました。
あとは前述のフィットネスセンターで食っちゃ寝の生活を改めるべくランニングマシンで汗を流したり。
そういった感じでダラダラと過ごすのがこのクルーズ船の醍醐味です、よね?
6.寄港地
我々のツアーは7泊8日西カリブ海一周ということでハイチ、ジャマイカ、メキシコのコスメルの3箇所の寄港地でした。
正直ハイチとジャマイカはほとんど何もなく、一旦船を降りてぐるっと見て回ったらすぐ船に戻る人も多かった印象。
お金を出して現地ツアーや目玉の長距離ジップラインなどをすればもう少し楽しめたかもしれませんが、お金を出さずにとなるとビーチでゆっくりする他はあまりやることはありませんので船の上と大差ないです。
最後のコスメルだけはさすがにそればっかりじゃダメだなと思ったのでクルーズ船主催の高いツアーではなく、現地のツアー会社を行き当たりばったりで訪ねて近場の海を3箇所回る安いシュノーケルツアーに行きました。
噂通り透明度は高くてきれいな海でしたが正直エジプトの紅海でほどではなく、それほど感動もなく、という残念な結果に終わりましたが。
寄港地の日はクルーズ船の船内はかなり空いているので色々と遊びやすいという側面もあり、あえて船に残るという手もありますが、せっかくアメリカくんだりまで来たからには寄港地によったら一度はその土地に足を踏み入れたいのが人情。
なので寄港地ではお金を出して遊ぶことをおすすめします。
7.ネット
船の上でしかも衛星回線を使うということで、ネットは非常に高額です。
ネットがないと旅行の次の計画も立てられないし、仕事もできないため、高額すぎて反対されるかと思ったので嫁に内緒で事前に7日間アンリミテッドの契約をし、予定通り船に乗り込んでから白状して怒られました。
使い心地は衛星回線を使った高速インターネットということで、船の上ではどこでもスピード、強さ共に問題なし。
1回線をスマホとパソコンで利用したい場合は一度使用中のデバイスからログアウトすれば使えますが、これが意外といちいちめんどくさかったです。
8.部屋
部屋の写真撮るの忘れてまして。我々の取った部屋は一番安いタイプの窓なしテラスなしの二人部屋でしたが、アメリカンサイズで作られているため十分な広さでした。
窓がないのが残念ではありましたがそこは最新式の船よろしく、外の景色をモニターに写して疑似窓を作るその名も「バーチャルバルコニー」といういかにもアメリカらしい荒業ハイテクを搭載しており、夜は真っ暗になるのであまり意味はありませんが、朝方擬似的に太陽の光が部屋に差し込んでくるのが以外にもいい感じでした。
我々はたまたま8階の部屋にしたのですが、8階がセントラルパークという緑が多くて、昼間はサラダがふんだんに食べられるカフェのあるフロアだったので位置的にもなかなかよかったです。
部屋は船の場所によって様々なタイプの部屋があるので予算が折り合えば窓付きテラスあり、またはスイートにできれば越したことはありませんが、最安値の部屋でもそこまで問題はないかと。
9.洗濯
ドレスコードの次に気になっていたのは実は洗濯のこと。
7泊もするし、プールや海にも入るだろうし、でも部屋は前述のように一番安いタイプの部屋にしたため、窓なしテラスなしで一体どうするのだろうと。
船にあるのは高額のランドリーサービスのみで自分でできるランドリーがあるわけではないということも事前に調べてわかってました。
結局の所これは全くの杞憂で、船内は結構乾燥していて手洗いの後普通に部屋に干して乾きました。
干す所もいつもはロープを部屋に張ってやりますが、船だからかベッドの上にちょうどいい感じのハンガーをかけるでっぱりがあって、そこに掛けることで部屋を洗濯物が占有することもなく干すことができました。
10.船酔い
これに関しては今までどんなに揺れる車や船に乗っても酔ったことなかったので、正直全く心配してなかったというか考えてもなかったのですが。
大型客船の揺れはちょっとそういう揺れとは違う種類といいますか、ゆーっくり揺れるので部屋でじっとしていると、結構揺れを感じます。
部屋に窓がないからというのもあったかもしれませんが、椅子に座ってパソコン開いて作業していたりなんかするとすぐ酔ってしまってなかなか大変でした。
嫁は私ほどではなかったものの、私のほうは特に一日クルーズの日の昼間なんかは結構酔いまして。これは誤算でした。
酔い止めの薬はインフォメーションカウンターに行けば無料でもらえるらしかったのですが、そんなもの飲んだことないので選択肢にも入らず。無理やり寝て回復を待つしかないという時もあったり。
本当にのんびりしたいだけならクルーズ船なんて乗らずに陸の上でのんびりしたほうがマシです。
さいごに
というわけで初めてのクルーズ船旅行はほとんどいい思い出のないまま終わりまして、全体的に否定的な記事になってしまいました。
とは言え、アメリカ人的余暇の過ごし方が好きな方、料理の味にあまりうるさくない方、基本料金以外にふんだんにお金のかけれる方、などには本当に楽しめてゆっくりできていいとは思います。よ。
最後はお約束のあるあるで。クルーズ船に乗ると、アメリカ人がなぜあんなに太っているのか、体感できる。ではー!